### 1. 調査の全体目標 ポイント統計による**定量的なセグメント分け**と、コメントによる**定性的なストーリー分析**を組み合わせ、「誰がコミュニティの文化を作り、誰が価値を享受しているのか」を明らかにする。 ### 2. 設定する仮説 * **仮説A(循環の源泉)**: `DONATION`(チップ)を積極的に送る層(Amplifier)のコメントには、マニュアル化されていない「コミュニティの隠れた良さ」が言語化されている。 * **仮説B(公式評価の妥当性)**: `GRANT`(公式付与)を多く受ける層と、`DONATION`(仲間からの評価)を多く受ける層では、コメントに現れる「称賛キーワード」が異なる。 * **仮説C(定着の鍵)**: 蓄積型(もらう専門)から循環型(送り始める)へ変化した瞬間のユーザーストーリーに、コミュニティへの「帰属意識」が高まったヒントがある。 ### 3. セグメンテーション(調査の軸) 以下の4つのグループに分類して比較します。 | セグメント名 | 定義(ロジック) | 分析の着眼点 | | --- | --- | --- | | **① 増幅者 (Amplifier)** | もらったポイントの30%以上を `DONATION` で他人に送っている | どんな「感動」がポイントを再分配する動機になったか? | | **② 現場のヒーロー (Peer Hero)** | `DONATION` による受取額が `GRANT`(公式)より多い | 運営の目が届かない場所で、どんな「助け合い」をリードしているか? | | **③ 信頼の担い手 (Reliable)** | `GRANT` の受取額が多く、かつ継続的である | 運営が定義する「理想の市民」は現場でどう振る舞っているか? | | **④ 恩恵の享受者 (Consumer)** | 受取はあるが、他者への `DONATION` やコメントがほぼない | 参加の障壁はどこにあるか?(受取時のコメントから探る) | ### 4. 調査ステップ(アクションプラン) #### ステップ1:分布の把握(SQL実行) 前述のロジックでユーザーを分類し、各セグメントに何人くらい属しているか、コメントがどこに溜まっているかを可視化します。 * **使用データ**: `t_transactions`, `t_wallets` * **理由**: `POINT_ISSUED`, `GRANT`, `DONATION` の3種に絞り込む。 #### ステップ2:ストーリーの抽出(定性分析) 各セグメントから、特に「文字数が多いコメント」や「特定のキーワード(ありがとう、助かった、初めて、等)」を含む取引を抽出します。 * **抽出項目**: 送り手・受け手のセグメント、理由、コメント本文。 #### ステップ3:キーワードマッピング セグメントごとに頻出する単語を比較します。 * **公式評価(GRANT)**: 「完了」「執筆」「運営」「参加」 * **仲間評価(DONATION)**: 「相談」「笑顔」「爆笑」「癒やされた」「爆速」 * この差異から、コミュニティの「表の顔」と「裏の熱源」のギャップを特定します。 ### 5. この調査で得られる成果物(アウトカム) 1. **価値定義のリフレーミング**: 運営が気づいていない「コミュニティの本当の価値」の言語化。 2. **オンボーディングの改善案**: 蓄積型ユーザーが「増幅者」に変わるための仕掛け(どんなコメントをもらうと嬉しいか)の特定。 3. **推奨アクションの特定**: ポイント発行(GRANT)の新しい基準作り。