保育園・幼稚園市場(保育・幼児教育市場)は、少子化が進む一方で共働き世帯の増加や政府の支援拡充により、2025年にかけても緩やかな拡大を続けています。 ## 市場規模の推移 矢野経済研究所の調査によると、2021年度の保育・幼児教育市場は4兆6,833億円(前年度比1.7%増)と推計されています。また、より広義の「こども関連ビジネス市場」全体では、2024年度に10兆9,059億円(前年度比2.2%増)に達し、2025年度には11兆円を超えると予測されています。 ## 主要セグメントの動向 ### 保育園市場 待機児童解消に向けた施設整備が一段落し、現在は「量の確保」から「質の向上」へシフトしています。2025年度からは、1歳児の保育士配置基準を「6:1」から「5:1」へ改善する園への加算制度が開始され、手厚い体制への支援が強まっています。 ### 幼稚園市場 園児数の減少が顕著で、2025年度の速報値では約69万人とピーク時の3割以下に落ち込んでいます。生き残りのため、延長保育の拡充や「認定こども園」への移行、独自教育(英才教育など)による差別化が進んでいます。 ### 幼児教育・習い事 知育教室や英語、体操などの幼児教室市場は堅調です。親の教育意識の高まりや、共働き世帯が「預かり+教育」を求める傾向から、付加価値の高いサービスが支持されています。 ## 業界の注目課題「2025年問題」 保育業界では、少子化の影響で利用児童数が減少に転じる「2025年問題」が注目されています。 ### 定員割れと経営難 人口減少地域を中心に、定員を満たせない施設が増え、閉園やM&A(合併・買収)による再編が加速しています。 ### 人材不足 配置基準の改善により必要とされる保育士数は増えていますが、採用難や離職が続いており、人件費の増大が経営を圧迫しています。